私を置いて行かないでくれ。

私は最初に気づいたさ。

烏兎が不規則に入れ替わり、紙コップの中、温水は慌ただしく増減していた。

何かに急かされ、外に出た。

一人は何も持たず、一人は火を持ち、一人は小麦を持った。

手ぶらの小人は二人を置いてぐんぐん進んだ。

いつしか見えなくなっても二人は必死に追いかけた。

水兵の女達に驚き、私は倒れた。

火は足元から身を包み、瞬く間に朧の闇を照らす篝火となった。

服を脱ぎ捨て追いかける。

形を変え、二人は夜の中でも一層暗い、裏の路地へ入った。

しかしもう分からない。何処に行ったのか、何処に行こうとしているのか。追いようがない。

空はもう、光を見せない。

私はもう、何も見えない。